理学療法士が解説【四十肩・五十肩】の実態

Last Updated on 2020年6月23日 by Fujikunn04

今回は40代〜50代の方を悩ませる40肩・50肩についてその実態と運動についてお話したいと思います

※基本的に研究論文等に基づきますが、個人の見解も含まれますのでご注意ください



四十肩・五十肩について

ざっくりとした見出しですがまずは四十肩・五十肩についてです

そもそも、呼び方がたくさんありますが、全て同じものです

40代や50代に多いためこのような呼び方がされており、臨床上は

拘縮肩・凍結肩と呼ばれます

拘縮肩の原因は?

主な原因は加齢により肩周囲の組織が炎症を起こすことで、痛みを伴う可動域制限が生じます

しかし、炎症が起きる正確な原因はよくわかっていません。

たまに肩が痛くなるのは拘縮肩?

結論から言うと、”おそらく違います”

なぜ、おそらくかと言うと、拘縮肩とは、レントゲンやMRIなどで大きな問題点がなく、特に外傷もなしに方の痛みが生じる人全般に言われることが多いからです

詳しい症状については⬇⬇

拘縮肩の症状

本当の拘縮肩とは、

肩がまったく上がらなくなり、じっとしていても耐え難い痛みが続き、夜も眠ることができない

このような症状が人によりますが1〜2ヶ月ほど続き、次第に痛みは取れて、今度は痛くないけど動かなくなります。

そして次第に治っていくのです

図に表すとこんな感じ

大きく分けて3つの期間に分けられます

一つ一つの長さは完全に人それぞれ

ものすごくひどい場合は手術することもありますが、私は手術ですごく良くなった方は見たことはありません

また、拘縮肩だけではなく、2週間経っても治らない肩の痛みがある方は病院に行くことをおすすめいたします

どうしたら治るの?

結論は、これをやるとすぐに治るということはありません

1度の治療で治った。この人に見てもらったら治った

というのは本当の拘縮肩ではなかった可能性が高いです

では治らないの?という声が聞こえてきそうですね

治ります。正確には何もしなくても時間が経てば治ります。

それでは医者や理学療法士はいらないんじゃないのと思う方もいるかも知れませんが、

炎症期や拘縮期に無理やり動かしたりしてしまうと、他の怪我につながる可能性があります

また、炎症期の激しい痛みに多くの方は耐えられないはずです

なので、初期は注射や痛み止めの服用などの鎮痛処置が最も効果的であると言われております

拘縮期以降の治療法

炎症期が終わり、拘縮期になってきたら、リハビリを行うことも選択肢の1つとなります

が、リハビリを行うことで明確に完治が早くなるということは言われていません

そんな中でリハビリを行うことのメリットは、正しい動き方やエクササイズを行うことでさらなる悪化や、他の疾患の合併を予防することができることです

(あくまで100%ではないですが)

また、接骨院や整体院などを利用することも選択肢となります

ここまで拘縮肩の実態をお伝えしてきましたが、続いて軽い方の痛みに効くエクササイズの紹介をしたいと思います

肩の痛みの改善・予防エクササイズ紹介

ほぐし

テニスボールを使用した肩周りのほぐし運動です

痛みが強くなりすぎないように注意しましょう



ストレッチ

肩のストレッチです

痛みがある方は中止しましょう

1枚目は、脇が伸びるように、2枚目は胸の前が伸びることを意識しましょう

肩甲骨の運動

このような形で、左から順番に動かしていきましょう

肩インナーマッスルのトレーニング

このトレーニングは、セラバンドというゴムを使用して行います。

肩のインナーマッスル(棘上筋、棘下筋、小円筋)を鍛える運動です

肩のインナーマッスルは非常に重要で、肩関節の動きをスムーズにする役割があります

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肩甲骨安定化エクササイズ

この運動は肩甲骨を外側に広げるように背中を丸めていきましょう

痛みがある場合はやめましょう

まとめ

・四十肩・五十肩とは、非常に強い痛みを伴うもの

・少し痛い肩の痛みや、すぐに治る肩の痛みは本当の拘縮肩ではない

・拘縮肩は病期を経て、完治することがほとんど

・できる範囲で動かすことが効果的である